春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
…有名な清少納言の「枕草子」ですね。なぜこちらの一文を引用したのかというと…
皆様を少しだけ古典の世界へ誘いたかったのです。そう、今回は、結婚式には憧れの十二単を着たいという願いを叶えたおふたりをご紹介いたします。(今回は古風な雰囲気に合うように、普段片仮名表記のものも漢字とかなで表現してみます!)
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おふたりは、以前当店でご結婚式を挙げられたご友人様に勧められてご来店くださいました。
まじめで落ち着いた雰囲気をお持ちのおふたり、そして古典の世界に造詣が深いご新婦様のこだわりは、公家女房晴れの装いでもある十二単を着て神前結婚式を行いたいということ。
「十二単!」とたちまち従業員間でも驚きの声が上がりました。長年婚礼業務に携わった者でも「実際には見た事ないです…」。車に乗れるのかしら?歩けるのかしら?話は尽きません。。。
ではちょっとだけ十二単について説明しますと、十二単とはいうものの十二枚着るという訳ではなくたくさんの衣を重ね着することを表現していたとされ(諸説あります)、「唐衣(からぎぬ)・表着(うわぎ)・打衣(うちぎぬ)・五衣(いつつぎぬ)・単衣(ひとえ)・長袴(ながばかま)・裳(も)」から成り、髪型は大垂髪(おすべからし 雛人形の女雛様の髪型)が基本なのだそう。
ちなみに男性は「束帯(そくたい)」。十二単のように何枚も重ね着した装束を「帯で束ねて」着る事からこの名だそうです。
通常はお支度を整えた状態で筑波山神社に到着されるのですが、今回は特例で筑波山神社で最終仕上げをします。(やはり仕上がった状態では車に乗れません…)
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そして青空と梅の花の香りをほのかに感じる弥生のとある日、いよいよその日がやってまいりました。
念願の十二単と束帯をお召しになり、髪型も見事に整ったおふたりがゆっくりと筑波山神社の境内に現れ…、まるで、古典の教科書からでてきたようです。美しく麗しくとてもよくお似合いです。
ご親族の皆様だけでなく、筑波山神社の参拝者の方々も感動されており(私達も!)、注目の的です。(海外の方は「美しい!」と感嘆の声!)皆様写真機で撮影の嵐。
大垂髪(おすべらかし)に
飾っているのは「額櫛(ひたいぐし)」
襟元の色変化は「襲色目(かさねいろめ)」。
五衣(いつつぎぬ)の色の段階的な濃度変化が美しい。
新郎様は「笏(しゃく)」を
新婦様は「檜扇(ひおうぎ)」を手に。
後ろ姿 新婦様の長い後ろ部分が「裳(も)」
新郎様は「裾(きょ)」。広げるととても長いのです。
「浅沓(あさぐつ)」とても素敵
式を執り行うべく本殿へ向かう渡り廊下でのおふたりの姿と神社が見事に調和しており、それも伝統ある筑波山神社だからこそでしょう。
厳かに太鼓が響き、雅楽演奏に身が引き締まるなかでの「祝詞奏上」「浦安の舞」「三献の儀」…やはり実際迫力ある本殿に上がると感動が違います。
おふたりも感無量だったことでしょう!
筑波山神社にて挙式後は、藤右ェ門に戻ってきてご家族の皆様は披露宴会場へ。
おふたりの趣味である野営の愛用品☺があたたかくご家族をお出迎え。皆様も微笑んでおられました。
今日はおふたりに替わって場を賑やかにしている
愛すべき小さな怪獣たち☺
こちらは卓にもなり荷物も運べる優れもの!
もともとは新郎様が趣味の野営☺でしたが、
今では新婦様のほうがはまっているそうです。
最近の野営用品☺は高性能だけでなくお洒落!
披露宴では束帯と十二単から、紋服と色打掛にお着替えです。こちらも新婦様のこだわりは伝統的な“文金高島田”。おふたりが入場されると、また先ほどとは違った装いに歓声が上がり、拍手でお出迎えの温かい空間が広がっていました。
「もっとにこやかにしたかったんですが衣装の重厚感に圧倒されてしまいまして、、ここからは和気あいあいと楽しんで頂けたらと思います。」と、優しい声でお話されるご新郎様の歓迎の挨拶。
宴中はでくつろいだ雰囲気の中始まり、鯛の塩釜焼では、おふたりの大切な甥っ子くん、姪っ子ちゃんに一緒に開いてもらい、より和やかに。
婚礼洋菓子☺は共通の趣味でもある、野営が題材の意匠!
お目見えした瞬間、おふたりの笑顔と喜びの声が上がり、ご家族の皆様もお写真に残しておられました♪
仲睦まじいおふたり。新郎様内心「やったー!!」ですよね♪
そしておふたり手作りの生い立ち映像の上映。
出逢うべくして出逢ったおふたりのそれぞれの生い立ちや思い出の数々に、皆様と一緒に見入ってしまうほど素敵な映像でした。
まるで野営で灯される焚火のように、周りもあたたかく包み込んでくれるような雰囲気の中過ぎていった披露宴。
楽しい時間が過ぎるのはあっという間です。
宴を締めくくるのはお父様の思いやりと愛情溢れるお言葉。本日は乾杯の際におじ様が一句詠まれたのですが、結びにお父様も詠まれました。イザナギノミコトとイザナミノミコトが祀られることから夫婦の象徴ともいわれる筑波山をかけて…
「筑波山 艱難辛苦あろうともふたり誓えし手を携えし」
ご家族の皆様をお見送りした後、私たちともぜひ、とお声がけをして一緒にお写真を撮影!
「藤右ェ門の従業員の皆様、今日は本当にありがとうございました。とても良い一日になりました。」とお礼のお言葉をかけてくださったご新郎、ご新婦様。
おふたりとの打ち合わせを何度かさせていただいた中で、最高の笑顔が見られて私たちもとても幸せな、心温まる一日となりました。
前日 これはどこにしようかと飾りつけ
おふたりの記念すべき大切な一日に当店をお選びいただき、ありがとうございました。
ご結婚式のお手伝いができましたこと、大変光栄に思います。
念願の十二単をお召しになられたご新婦様は本当に言葉にならないほどお美しかったです。
またぜひ、記念日などにはお立ち寄りくださいませ。
おふたりの末永いお幸せを従業員一同心よりお祈りいたします。
藤右ェ門 一同
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藤右ェ門カップルレポート
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